東京商工リサーチが8日発表した2023年度の全国の企業倒産(負債額1千万円以上)は、前年度比31・6%増の9053件だった。増加は2年連続で、9年ぶりに9千件台に乗せた。新型コロナウイルス対応のための政府の資金繰り支援策、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化する中、物価高や人手不足が響いた。
倒産件数は20~22年度に、資金繰り支援で比較的低位に推移したが、23年度はコロナ禍前の水準に戻った。東京商工リサーチの担当者は今後について、過剰債務に陥っている企業を中心に、夏場を境に増加傾向が強まる可能性を指摘する。日銀のマイナス金利解除で金融機関の貸出金利の上昇が見込まれるためだ。
23年度の負債総額は6・0%増の2兆4630億円。1億円未満の小規模倒産が目立つ。
物価高を背景とした倒産件数は73・6%増の684件。人件費の上昇分を十分に価格転嫁できていないという。人手不足関連の倒産は2・4倍の191件。「身の丈を超えた賃上げが中小・零細企業の資金繰りを直撃している」と分析した。
産業別の件数は2年連続で10産業全てで前年度を上回った。残業規制強化の24年問題に直面する建設業が39・5%増、運輸業が25・6%増だった。
同時に発表した24年3月の倒産件数は前年同月比12・0%増の906件で、負債総額は1422億円だった。
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9年ぶり水準 物価高、人手不足響く 23年度倒産31%増9053件
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琉球新報朝刊
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