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地方航空ベア大手超え 春闘 1万円台、昨年比大幅増


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 地方を地盤にする航空会社AIRDO(エア・ドゥ=札幌市)、スターフライヤー(北九州市)、ソラシドエア(宮崎市)の3社が今春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を実施する方針を労働組合側に示したことが、9日分かった。
 いずれも月額1万円台と昨年から大きく増え、一部は大手2社を上回った。航空業界では地方にも賃上げの波が及んできた。
 産業別労働組合「航空連合」が3月末時点の労使交渉状況をまとめた。スターフライヤーは労組の要求額を上回る月額1万5千円のベアを実施すると回答した。2023年の3千円から大幅に増え、24年は全日本空輸の1万1千円、日本航空の1万2千円を超える水準となった。
 エア・ドゥは1万円、ソラシドエアも1万2千円のベアに踏み切る。ともに前年は組合要求が通らずゼロだった。3社はベアに加え定期昇給も実施するという。
 航空連合によると、経営側から回答があった49労組のベアは平均で1万1161円、定昇を加えた全体の賃上げは1万7452円。内藤晃会長は「一部では大手を上回る水準を引き出した。規模間の格差是正につながる大きな成果だ」とコメントした。
 中堅のスカイマークも24年度に従業員平均で1万2278円の賃上げを実施する。23年度の5513円からは大幅増で、航空業界は新型コロナウイルス禍からの回復が鮮明となっている。