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米利下げ 9月以降か 年内1回、金利据え置き


米利下げ 9月以降か 年内1回、金利据え置き 今後のFOMC日程(写真はAP)
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 【ワシントン共同】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は12日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を7会合連続で5・25~5・5%に据え置くことを決めた。年内の利下げ回数の見込みは3月時点の3回から1回に減らした。市場では9月以降に利下げに踏み切るとの見方があるが、11月には大統領選も控え、政策決定が流動的になる可能性もある。
 米国では物価上昇率の縮小傾向が足踏みしており、FRBは現行の政策金利水準を維持する必要があると判断した。パウエル議長は会合後の記者会見で、金融緩和が必要と判断するには「まだ時間がかかる」との見方を示した。
 ニューヨーク外国為替市場の円相場は直前に1ドル=155円台後半で推移していたが、決定後は金融引き締めが続き、日米の金利差が当面縮まらないとの見方から1円程度円安に振れ、1ドル=156円台後半を付けた。
 今後のFOMCは7月、9月、11月、12月に予定されている。利下げは企業が融資を受けやすくなることから株価には好材料となる。大統領選でバイデン大統領との対決が確実視されるトランプ前大統領は選挙前の利下げを「民主党を助ける」と批判しており、景気を支えるFRBの政策決定が選挙戦に影響を与えかねない。
 FRBは高インフレを抑えるため、2022年3月に利上げを開始し、事実上のゼロ金利政策を解除。6月からは4会合連続で通常の3倍となる0・75%の利上げを決めるなど、急激に金利を引き上げてきた。最後の利上げは23年7月で、01年以来となる歴史的高水準の金利は1年継続することになる。
 FRBが発表した経済見通しでは、24年末の金利を5・1%と予測。通常の利下げ幅の0・25%で1回引き下げることになる。25年末も4・1%と3月時点から引き上げ、26年末は3・1%で維持した。パウエル議長は年内1回との見通しについて、今後の経済指標に基づき判断する考えを表明した。