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他行で発覚後も違反か 三菱UFJ 融資先情報を無断共有


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 融資先企業の未公開情報を無断で共有したとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反の疑いで調査している三菱UFJ銀行と系列の証券会社が、三井住友フィナンシャルグループ内で同様の問題が明らかになった2022年9月以降も違法な情報共有を続けていた疑いがあることが13日、関係者への取材で分かった。
 監視委は14日に三菱UFJ銀と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の3社を処分するよう金融庁に勧告する方針。金融庁は、他社の不祥事を把握しながら違反行為を続けていたとみられる点も踏まえて処分を決定する。
 三井住友フィナンシャルグループの問題は22年9月に発覚。幹部らが逮捕・起訴された相場操縦と合わせて、金融庁は22年10月、SMBC日興証券に3カ月の一部業務停止命令と業務改善命令を出した。
 三菱UFJ銀の半沢淳一頭取は当時、全国銀行協会会長の立場で「会員行で皆さんの信頼を損なう事象が発生し、申し訳ない」と陳謝していた。
 関係者によると、三菱UFJ銀は系列証券との取引を融資の条件にし、証券2社は共有された情報に基づき営業活動を展開していたとみられる。
 21年ごろに日系企業が外国企業と事業統合した案件などで情報共有があったという。一部の違反行為には銀行などの役員クラスも関与していた疑いがある。