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社員の学び直し支援を 那覇でセミナー 技能生かす体制も


社員の学び直し支援を 那覇でセミナー 技能生かす体制も リスキリング支援の重要性について語る後藤宗明氏=4日、那覇市の八汐荘
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 県産業振興公社は4日、組織運営の見直しや人材投資の計画策定・実行を支援する経営層向けの特別セミナーを那覇市の八汐荘で開催した。ビジネスの潮流変化が激しい時代を生き抜くための「リスキリング(学び直し)」をテーマに、非営利団体ジャパン・リスキリング・イニシアチブの後藤宗明代表理事が講演した。
 後藤氏は、特に海外では人工知能(AI)やロボットの技術進展で、従来人間が担っていた仕事がなくなる「技術的失業」が生じてきたと説明した。同時に新たな技術の誕生に伴い生まれる仕事もあり、それに適応する能力を付けるリスキリングが重要だと述べた。
 経営者にとって、従業員のリスキリング支援は離職を防ぐことにもつながると強調。「日本では就業時間内に取り組むことが許されていない事例が大部分だ。組織の仕事にも関わるので、就業時間内にできることが重要だ」と述べた。
 習得した技能を組織内で生かせない「学びっぱなし問題」もあると指摘した。その上で会社が成長事業に投資するため、社員のリスキリングをどう生かしていくのか明示する必要性を挙げ、「技能を生かせる機会がないと従業員が辞めてしまう。配置転換の計画、受け皿が必要だ」と述べた。 (島袋良太)