八重瀬町の向陽高校で11日、創立30周年を記念した講演会が開かれた。国内外で活躍する南風原町出身のピアニスト、下里豪志さんを招き、生徒と対話しながら「自分らしく生きる方法」について考えた。下里さんは男性として生まれ、女性として生きてきた性同一性障がいの経験を紹介しながら、「ポジティブな部分もネガティブな部分も、全てを受け入れたときに自分らしく生きられるのではないか」と生徒たちに語りかけた。
講演会には生徒代表として、4人の生徒も登壇した。「自分らしくいられるとき」について1年生の多宇志琉さんは「自分が楽しいと思うことをしているとき」、2年生の園屋穂乃佳さんは「周りからの影響を受けず、自分がどうしたいのかを自分で考えることができるとき」と答えた。下里さんは「どれも正解だと思う」とした上で「ポジティブな部分だけでなく、例えば勉強に向かうのに時間がかかるとか、短所も含めて自分らしさだと思う」と語った。
3年生の下地朱莉さんからは「周囲からの評価を気にして、自分らしくいられないときがある」、生徒会長の伊敷大地さんからは「本当に自分がしたいことは何だったのか、分からなくなるときがある」という意見が上がった。下里さんは過去に、スカートをはいている自分を変わった目で見る人もいたことを話し、「あまり気にならなかった。自分を受け入れて大事にしてくれる友達がいればいい。自分自身が一番、自分の味方であり続けることも大事だ」と伝えた。
(嘉数陽)