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沖縄戦まだ続いている 那覇・神原小6年生 平和継承へ劇発表


沖縄戦まだ続いている 那覇・神原小6年生 平和継承へ劇発表 劇で、いまだに家族の遺骨が見つからない遺族がいると伝える場面を熱演する児童ら=1月21日、那覇市の神原小学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 那覇市立神原小学校の6年生が1月21日、学習発表会で、沖縄戦や名護市辺野古の埋め立て問題を題材にした劇とスライド発表に取り組んだ。沖縄戦の実相や戦後の現状を描き「沖縄戦はまだ続いている」と観客に問いかける内容。児童にとって卒業前最後となる学校行事で、平和な社会をつくるために沖縄戦を学び発信し続ける決意を語った。
 劇は避難先の壕で泣く子どもに、敵に居場所が知られるとして日本兵が銃を突きつけて追い出そうとする場面から始まる。劇の後は、スライドで日米の軍事力に差があったことや、日本軍の持久作戦によって軍民が混在した逃避行となり多くの住民犠牲を増やしたことを伝えた。
 戦後の場面では、いまだに家族の遺骨が見つからない遺族がいることや、遺骨が混ざった土砂が名護市辺野古の埋め立てで使用される可能性があることに触れた。
 児童は「私たちは沖縄戦はまだ続いていると考えている」と観客に訴え、「学び続けよう、沖縄で過ごす小学生の一人として。未来の沖縄をつくる一人の県民として」と結んで、今の自分にできることを発表した。
 6年生は人権教育の一環で、総合的な学習の時間に平和学習を行い、1年を通じて「命の尊さ」について考えてきた。
 学習発表会でのシナリオは、児童の調べ学習の内容や報道、歴史資料を基に石川博久校長と担任2人が作成し、児童がアレンジした。
 発表後、前花仁杏(にあん)さん(12)は「発表を見た人にも壕での出来事について考えてもらいたいと思った」と話した。玉城桜子さん(11)は「これからも沖縄で起きていることを発信したい」と語った。学習発表会では、学童疎開をする児童らが犠牲となった対馬丸事件などを学んだ5年生による、平和の詩の群読と歌の発表もあった。 (高橋夏帆)