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学校タブレット半数故障 徳島県教委、調達追いつかず


学校タブレット半数故障 徳島県教委、調達追いつかず 徳島県立校のタブレット端末故障台数
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 徳島県教育委員会が2020年度に調達し、県立高校などに配ったタブレット端末1万6500台のうち、半数超が故障する異例の事態になっている。修理したり予備機を使ったりして対応しているが追い付かず、2月26日時点で不足数は7374台に上る。「1人1台」の正常な状態に戻るのは9月ごろになりそうだ。
 県教委によると、タブレットは中国のツーウェイ社製。文部科学省の「GIGAスクール構想」を受け、国の交付金を活用して約8億円をかけて県立高など計30校に配備した。
 各校で昨年7月以降、暑さによるバッテリーの膨張が急増。同9月末時点の故障台数は全体の17%に当たる2859台に上った。1台の端末を複数の生徒で共有するなどしてしのぎ、この時点で知事部局に代替機を確保するための予算措置の相談はしなかった。
 その後も故障台数は増え続け、10月20日には5167台に。後藤田正純知事は同30日に臨時の記者会見を開き「県教委だけに(事態収拾を)任せておけない。対応がお粗末だったことをしっかり認めてほしい」と厳しい言葉を投げかけた。
 故障は11月27日には6301台になり、代替機6500台をリース方式で調達する費用7200万円を盛り込んだ補正予算案が同30日に県議会で可決。今年4月には1人1台が配備できる算段だった。
 だが1月下旬、充電後にバッテリーが1時間未満しかもたない新たなトラブルの報告があった。これらを含めると、故障台数は最終的に全体の約55%に上る。
 タブレットは入札を経て四電工徳島支店(徳島市)が納入。入札に参加したのは同社のみだった。同社は複数の代理店に調達を依頼したところ、想定する仕入れ価格に見合うのがツーウェイ社の製品のみだったと説明。昨年11月には「教育現場に多大なご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げる」とのコメントを出した。
 県監査委員は2月公表の監査結果で、ツーウェイ社を「国内の納入実績の乏しいメーカー」と指摘。「21年5月に県立中学で同社の別機種の端末に不具合が生じた際、危機管理意識を持って一斉点検すべきだった」と県教委の対応に疑問を呈した。