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「読書ゼロ」なくす試み、高校生がデータで検証 図書館展示やイベントを企画 沖縄の7校参加し研修


「読書ゼロ」なくす試み、高校生がデータで検証 図書館展示やイベントを企画 沖縄の7校参加し研修 読書活動の推進の取り組みをオンラインで発表する木川和穂さん(右)と新里一花さん=8月22日、浦添市の同校
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 月に1冊も本を読まない生徒の割合を示す「不読率」改善に、高校生自身が取り組む2024年度の「県高校生読書リーダー育成研修」が8月13日、始まった。本年度は7校23人が参加し、学校ごとに取り組み、効果をデータに基づいて検証する。22日は、今後の計画を発表する「デザイン発表」がオンラインであった。昭和薬科大学付属高校は、本を身近に感じてもらうイベントを開いて図書の貸出冊数増加につなげる案を発表した。

 昭和薬科からは、図書委員で2年の木川和穂さん(16)と1年の新里一花さん(15)が参加した。同校は23年度の研修で、図書館の企画展示やイベントに合わせて来館者が増加することを実証した。そこで2人は「企画によって来館者数が増えれば、企画に使用した本の貸出冊数も増える」と仮説を立てた。

 デザイン発表では、読書活動の推進に向けて、書道や古典の授業に関連のある本を展示する案や、演劇部員が本の物語を演じたショートムービーを上映するイベント案を挙げた。また、アンケート調査を最低2回行い、本を読まない生徒の動向を見るとした。

 新里さんは23年度の研修生が開いたイベントへの参加を機に、読書習慣が身に付いた一人。「本を読むのが楽しくなった」と振り返る。木川さんは「本を普段読まない人に読んでもらう方法を探りたい」と意気込んだ。

 研修は、全国的に不読率が高いことから県教育委員会が開催し、3年目。8月の研修で、生徒は効果的なアンケートの取り方や分析方法を学び、読書に関心を抱いてもらう方法を考えた。来年2月に成果発表をする。

 高校生の不読率は全国で43.5%(23年度全国学校図書館協議会の調査)。県教委の22年調査によると、県内の高校生は40%程度だった。

 (高橋夏帆)