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不登校乗り越え卒業式 夢は公務員「地域の人の役立つ仕事に」 泊高定時制の儀間さん 沖縄【U35】


不登校乗り越え卒業式 夢は公務員「地域の人の役立つ仕事に」 泊高定時制の儀間さん 沖縄【U35】 友人らから卒業を祝福される儀間真吾さん(前列左から2人目)=22日、那覇市の泊高校
この記事を書いた人 Avatar photo 外間 愛也

 泊高校の定時制(午前部、夜間部)と通信制の前期卒業式が22日、那覇市の同校であった。中学2年から学校に行けなくなった儀間真吾さん(19)=那覇市=は、同級生や教員、家族の優しさや温かさに触れる中で不登校を乗り越え、門出の日を迎えた。将来は「地域の人の役に立つ仕事をしたい」と公務員になる夢を描いている。

 中学生の頃は内向的で周りの目を必要以上に気にしてしまい、自分がどう思われているか、何か言われるんじゃないかという恐怖心などから、学校に行けなくなった。当時は「自分は将来どうなるのか」と先が見えない不安を抱えていた。

 中3のある日、母の美奈さん(52)から「泊高校の定時制に進学してはどうか」と助言を受け、高校までは卒業しておきたいという思いもあり、入学を決めた。当初は高校に行くことそのものが大変だったと言うが、明るくいつも周りを笑わせてくれた友人がいたおかげで次第に学校が楽しくなった。

 自分のペースで勉強ができ、教員らも親身に話を聞いてくれ、いつも背中を押してくれた。母も「自分がやりたいことをやったらいい」と見守ってくれた。

 儀間さんは「母は叱ることなく、いつも優しく接してくれた。母のおかげで今の自分がいる。ありがとうと伝えたい」と感謝した。

 高校から始めたバドミントンは「ラケットの持ち方もルールも分からなかった」が、練習を重ねて定時制の県大会団体戦で優勝し、全国大会にも出場した。少しずつ上達していく中で、自信も身に付けていった。

 来年4月からは公務員を目指して那覇市内の専門学校に通う予定だ。儀間さんは「泊高校に来てそれまでの自分から変われた。優しさを持ち、関わった人を笑顔にできるような人になりたい」と目標を見据える。

 泊高校の前期卒業式では定時制13人、通信制18人、計31人が卒業し、社会に向け新たな一歩を踏み出した。

 (外間愛也)