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【寄稿】野田隆司 異国の文化、生で体感を <桜坂で国際音楽2公演>


【寄稿】野田隆司 異国の文化、生で体感を <桜坂で国際音楽2公演> NAMGAR
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 今の季節はアジア各地で多くの音楽イベントが開催されている。いわゆる「夏フェス」とは異なり、より文化的アプローチでキュレーションされたイベントが多いのが特徴だ。ショーケース的なものや、ワールドミュージックに焦点を当てたもの、路上ライブをフェス仕立てにしたものなどさまざまだ。こうしたイベントに世界中から個性豊かなアーティストが集まってくる。「アジアまで来るから、日本でも演奏できないだろうか」。そんな相談を受けて、今回二つの公演を企画した。

 一つは「Listening to the World(リスニング・トゥ・ザ・ワールド)エストニア・オルタナ伝統音楽と、イタリア・ナポリ歌謡の夢」というコンサートで、10月6日(日)に那覇市の桜坂劇場で開催する。

 出演は、エストニアの伝統的な弓付たて琴タルハルパを、独自の奏法で披露して世界を驚かせているPuuLuup(プーループ)。そしてイタリア・ナポリ歌謡の復権を目指し「ナポリの輝かしい音楽史に新たな輝きをもたらす夢」と称されるSUONNO D’AJERE(スウォン・デイエレ)の2組。

 もう1本は、ロシアのブリャート共和国出身のNAMGAR(ナムガル)の公演を、新垣睦美(歌・三線)をゲストに迎え、10月16日(水)に桜坂劇場で行う。

 彼らはブリャート共和国とモンゴルに伝わる遊牧民の歴史と音楽的な遺産に、ロックなどの要素を融合させて世界的な評価を得ている。その歌声はニューヨーク・タイムズが「シベリアのビョーク」と評したほど。(ウクライナとの戦争に反対する彼らは、現在拠点をモンゴルに移して活動中)。

 どちらも今回の日本公演は沖縄のみ。あまり触れる機会のないクオリティーの高い異国の音楽を生で体感して、その国の文化に触れていただきたい。

 (ライター)

 問い合わせ・予約は桜坂劇場、電話098(860)9555。