印鑑登録で性別記入不要に 沖縄初、沖縄市が来月から実施 LGBTに配慮


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 【沖縄】沖縄市では11月5日から、印鑑登録での性別記入が不要となる。3日の市議会9月定例会本会議で、性別の記入欄を削除する条例案が全会一致(退席1)で可決された。性的少数者(LGBT)当事者に配慮する同様の条例は浦添市でも9月定例会で可決されているが、沖縄市は他市町村に先駆けての導入となる。市担当者は「県外に比べると遅れをとっている部分もあるが、今後の取り組みにつながる」と期待する。

 市は、誰もがあらゆる分野で活躍できる社会の実現に向け「第2次沖縄市男女共同参画計画(改訂版)」を2018年3月に策定。重点的に取り組む施策として、ジェンダーに関する啓発、暴力の根絶、性の多様性を認め合う社会づくりなどを掲げる。全庁での取り組みの一つに、行政公文書における性別欄の見直しを挙げていた。

 印鑑登録の性別欄を削除する条例案については、総務省の指針も踏まえ提出に至った。同条例では登録時に旧姓を併記することで、旧姓のはんこ使用も認めている。

 城間史雄市民課長は、法令上、改正できない公文書が多い現状を踏まえつつ「市の単独で可能なものについては今後も見直しを続ける」と話した。

 平和・男女共同課の石原亜希子課長は「性別欄を削除する必要性に疑問を持つ人もいる。生きづらさを感じる人がいることを理解できる啓発が大切だ」として、誰もが生きやすい社会の実現に向けた取り組みの必要性を強調した。