【糸満】県地域漁業担い手確保・育成支援協議会は8日、糸満市の沖縄水産高校(渡久山英雅校長)で就漁セミナーを開いた。糸満市から伊平屋村まで8漁業協同組合が参加し、漁や養殖などそれぞれの取り組みや漁業の魅力を紹介した。沖水高出身の若手漁師も漁の素晴らしさを語った。海洋技術科と総合学科海洋生物系列の生徒約70人が参加し、熱心に耳を傾けた。
セミナーは、漁業従事者の減少や高齢化が進み、若手の人材確保・育成が課題となる中、水産高校で初めて開かれた。
沖水高出身で糸満漁業協同組合に所属する城間孝大(たかひろ)さん(24)=糸満市出身=と伊禮俊朗さん(23)=伊是名村出身=が漁師の仕事を紹介した。城間さんは「大漁だと、8日間こもって仕事をしていたことを忘れるくらいうれしい」と漁の喜びを語った。生徒たちからは「給料はいくら?」「休みはしっかりある?」など率直な質問が出た。
県地域漁業担い手確保・育成支援協議会事務局の県漁業協同組合連合会漁政課の神村尚樹課長は「漁師の生の声を聞き、少しでも漁業に関心を持つきっかけにしてほしい」とセミナーの意義を語った。
漁師を目指して石垣市から沖水に進学した海洋技術科2年の宇野海誠(かいせい)さん(17)は「実際に漁師として働いている先輩の話を聞く機会がないので、情報収集の良い機会になった。先輩の話を聞いて将来をリアルに考えられた」と感想を話した。