夏の終わりに熱い歌声 MONGOL800ライブ 映画「小さな恋のうた」劇中歌も


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法被姿でステージを熱く盛り上げる出演者ら=9月29日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟(SARUYA AYUMI撮影)

 県出身ロックバンド・MONGOL800(モンパチ)が主催するライブ「MONGOL800 ga presents『800だヨ全員集合!!』」が9月29日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟であった。ハウスバンド「MONGOL800DX」と、ゲストに世良公則、PESが出演し、夏の終わりに熱いステージを繰り広げた。

 モンパチの登場を心待ちにする観客たちがステージを見つめる中、ザ・ドリフターズの「ちょっとだけヨ!全員集合」の曲に合わせて1階席横の扉から法被姿の上江洌清作(キヨサク、ベース・ボーカル)と髙里悟(サッシ、ドラム・ボーカル)が登場。興奮する観客とハイタッチしながらステージに立ったキヨサクは「沖縄、遊びましょー」と呼び掛け「PARTY」を歌った。7月にモンパチのメンバー、儀間崇(ギター・ボーカル)が脱退したことを受け、かりゆし58のギター・新屋行裕がサポートギターを務めた。

 2曲目は「あなたに」。気持ちを高ぶらせるイントロに歓声が起こり、観客は拳を高く突き上げ体を揺らした。続けて「Love song」を駆け抜けるように歌った。

 MCでキヨサクは「オイッスー! 千秋楽、沖縄公演メンソーレ」とあいさつ。「大阪と東京は秋の装いをしてましたが、沖縄は暑い。まだ夏を諦めないで」と話し「OKINAWA CALLING」へ。沖縄の風を連想させるリズムに合わせてパーティーダンサー・粒マスタード安次嶺がステージ上を縦横無尽に踊り歩くと観客もまねて踊り、一体感を増していった。

 モンパチとの共演が多いゲストのPESはリラックスした様子で登場。「OK!MEXICO」や「楽園ベイベー」を歌い盛り上げた。5月に全国公開した映画「小さな恋のうた」に出演した世良公則は「燃えろいい女」で熱いロックを聴かせた。劇中に出てくる「SAYONARA DOLL」は世良の弾き語りで始まり、キヨサクと世良のハーモニーは観客の心にじんわりと染み込んだ。

 モンパチのサポートメンバーとして活動し、映画で役者への演奏指導を行った宮内陽輔が6月に急性心不全で急死した。弔いの思いを込め、ゲストと共に宮内の「パノラマ」を笑顔で歌った。

 ヒゲダンス、果物を剣に刺すパフォーマンス、安室奈美恵の「TRY ME~私を信じて~」も披露し、観客を楽しませた。「face to face」ではキヨサクとサッシの歌声が真っすぐに届いた。「小さな恋のうた」でキヨサクは柔らかな表情を浮かべ、客席を見渡しながら心を込めて歌った。

 アンコールでは「hanabi」など4曲を披露。すっかり熱気を帯びたところで最後に「いい湯だな」を歌い締めくくった。サッシの合いの手「アービバノンノン」がいい味を出していた。
 (関口琴乃)