「給油1回3リットルまで」 渡嘉敷島のガソリン不足 さらなる販売制限も 台風で11日も輸送できず


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ガソリンの給油に来た住民。給油機には「一回千円まで」の張り紙がある=10日、渡嘉敷村の渡嘉敷石油(米田英明通信員撮影)

 相次ぐ台風の影響で輸送便の欠航が続き、ガソリン不足に陥っている渡嘉敷村で、11日に予定していた沖縄本島からの輸送も海上がしけのために船が欠航し、輸送できなかった。島内唯一の給油所、渡嘉敷石油(新垣徹社長)は9月中旬から実施しているガソリンの販売制限を「1回千円(約6~7リットル)まで」から「1回3リットルまで」に切り詰める事態になっている。

 11日、欠航の知らせを受けた渡嘉敷石油は沖縄総合事務局や村に許可を取り、13日午後の村営フェリー臨時便で6500リットルを輸送できるよう手配した。12日に船が出れば、800リットルを運ぶ予定。13日にも大量輸送できれば、販売制限は解除される見込みという。

 新垣徹社長(58)は「(11日午前時点で)残り800リットルほどしかない。さらなる販売制限で住民には迷惑をかけるが、13日には輸送できそうだ。何とか持ちこたえてほしい」と窮状を訴えた。

 渡嘉敷村内のくじらレンタカー会社の男性経営者(38)は「これ以上(販売制限が)長引くと、営業に支障が出そうだ」と困り顔で話した。住民の男性(83)は「車に十分給油できず、遠くに出られない。一日でも早くガソリンが届いてほしい。出掛けられなくなってしまう」と、不安を口にした。