沖縄のノグチゲラ、保護優先順位2位 レッドリスト米報告改定


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餌を巣に運ぶノグチゲラ=2018年9日、東村

 【与那嶺路代本紙嘱託記者】米魚類野生生物局は10日、絶滅危惧種リストに提案する野生生物の候補について報告書を発表した。候補の上位に、沖縄本島北部に生息する国の特別天然記念物ノグチゲラを挙げた。

 報告書は、絶滅危惧種リストに提案する際の候補41種を挙げ、個体数が減少した原因や推移などを検証している。2016年に発表した報告書の改訂版。危機の切迫性に応じて1から12までの優先順位をつける。ノグチゲラの優先順位は前回同様、2番目と高かった。

 ノグチゲラについて報告書は「ヤンバルの森林伐採が大きな原因となり生息地が減少した。病気や台風などの自然災害、外来生物からも被害を受けている」と経緯を説明。新たな保護区域が設けられたものの、人為的な開発から完全に守られるかどうかが不透明だとし「個体数が少なく、生息地も減少しているため、危機は差し迫っている」と警鐘を鳴らしている。

 報告書を受け、環境保護団体「生物多様性センター」は声明を出し、絶滅危惧種として保護するのではなく保護候補にとどめたことを批判。「ノグチゲラは1981年から保護を求めてきた。危機にひんした生物の保護が遅れれば、絶滅のリスクを高め、回復に多大な費用をかけるだけだ」と指摘した。