那覇市の牧志公設市場衣料部・雑貨部の今後の在り方について議論していた「市中心市街地活性化委員会」(委員長・堤純一郎琉球大教授)は15日、市に答申した。「時代の変遷とともに公設市場としての役割は終えている」と指摘し、観光客を取り込み中心商店街の活性化に寄与するために「民間主導で運営することが望ましい」とした。
両部の建物は市が保有しているが土地は企業から借りている。賃貸借契約は2021年度末までの30年間。契約更新の場合も30年契約となる。現在は空き店舗もあり、答申では「管理運営の費用対効果が良好ではない」と指摘した。
民営化により「民間事業者の知恵や競争力が発揮される」と期待する一方、入居事業者への経営相談や管理組合設立への支援など必要な措置を講じることを市に求めた。伝統文化を継承するため、衣料部が扱う沖縄の伝統衣装などの販売継続を新たな施設保有者に働き掛けることなども求めた。
民営化後の管理主体は、建物の新たな保有者や市場事業者でつくる管理組合などを想定している。土地の賃貸借契約が終了した後、建物は契約先の企業に有償譲渡される。
堤委員長から答申書を受け取った城間幹子市長は「(政策に)落とし込んでしっかり取り組む」と述べた。堤委員長は「(民営化で)悪い方向に向かわないようアフターケアを考えないといけない」と話した。
答申について、衣料部事業者でつくる組合の木本宏有基(ひろゆき)組合長は「今はコメントできない」とした。雑貨部事業者でつくる組合の安田雅一組合長は「方向性は出たが、今後(具体的に)どうしていくのかが分からないので、より良くしていけるよう市と話し合いたい」と語った。