年間300件超の時間外診療 1人勤務の医師の負担重く…診療所医師急病で常勤医不在に 西表島西部 住民に不安


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参加住民から質問や意見が相次いで出た西表西部診療所の診療体制変更についての住民説明会=16日、竹富町西表島の中野わいわいホール

 【西表島=竹富】県立八重山病院は14日から、西表島西部地域の住民らを診察する同病院付属西表西部診療所の常勤医が急病に伴い不在になったとして、診療体制を変更した。石垣市の八重山病院から代診医を交代制で派遣し、平日に休診日を設ける。年度内の常勤医配置は困難視されており、来年度も不透明な状況だ。八重山病院は16日、島内で住民説明会を開き、約80人の住民が参加した。

 平日の通常診療はこれまでの週5日から週4日体制に変更し、時間外診療はこれまでの週2日体制を維持する方針。休診日などは移動・搬送に1時間ほどかかる島東部地域の西表大原診療所で対応する。

 説明会で来年度の常勤医配置について篠﨑裕子院長は、県内全域で診療所の医師確保が難航している状況だとして、「(配置できるかは)はっきりしていない」とした。

 代診医を安定的に派遣するため、八重山病院での診療制限を検討する考えも示した。

 八重山病院によると西部診療所の担当区域には約1500人が住んでおり、年間300件超の時間外診療があるなど1人勤務の医師への負担が大きい。常勤医もその負担が重なり、体調を崩したという。

 説明会で住民からは早期の常勤医配置を求める声や、観光客が急増する中で島の医療体制が不安定な状態に置かれることへの不安の声などが上がった。