秀品率高い宮崎にシェア奪われ…沖縄マンゴーの品質向上にJAが取り組んでいることは…


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マンゴーの品質低下を防ぐため残りかすを除去する参加者ら=9月10日、宜野座村(JAおきなわ提供)

 JAおきなわ(普天間朝重理事長)が県産マンゴーの品質向上に取り組んでいる。農家全体で栽培方法を統一し、質や価格の底上げを図ることを目的に、今年6月に生産者向けの栽培マニュアルを作成した。マニュアルには栽培ステージごとに必要な管理作業を記載した。各地域のマンゴー生産部会に所属する組合員に配布し、定例の栽培講習会でマニュアルを基に指導している。

 県産果樹の主力品目であるマンゴーは品質のさらなる向上が課題となっている。現在は秀品率の高い宮崎県にシェアを奪われているという。県産マンゴーの品質割合は、最高級のA品が4%、B品が29%、C品が67%となっている。

 品質低下を招くのは、果実に黒い斑点ができる「炭疽(たんそ)病」や「軸腐病」が主な要因だ。樹木の剪定(せんてい)の時に生じる枝や葉などの残りかすに病原菌が潜み、病気を引き起こす。残りかすを畑の外で処理せず土の上に残す農家が多く、病原菌の感染を引き起こしていた。残りかすの処理を周知するため、JAおきなわは「剪定残渣(ざんさ)除去大会」を8月に南部地区で、9月に北部地区で開いた。約40人が参加した。

 JAおきなわは2~3年後までに、A品を20~30%、B品を40%にすることを目標にしている。