UDタクシー、沖縄でも「配車不可」相次ぐ


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UDタクシーの乗車調査で、配車されたタクシーに乗り込む平良和希さん=30日、宜野湾市

 全国で車いすのまま乗車できるユニバーサルデザイン(UD)タクシーの乗車拒否が相次いでいる問題を受け、NPO法人DPI日本会議は30日、全国の車いす利用者による一斉乗車運動を実施した。沖縄県内ではNPO法人県自立支援センター・イルカ(宜野湾市)を利用する平良和希さん(35)が調査に参加。調査でUD車両がない事業者や、車両があっても「宜野湾市は管轄外だ」などとして、配車できない事業者が相次いだ。県内でUDタクシーの普及が進まず、障がい者のUDタクシー利用が事実上困難となっている実態が浮き彫りとなった。

 調査は障がい者への理解や社会全体のバリアフリー化を推進することを目的に実施された。電話で配車を依頼し、拒否されたケースを集計するほか、乗車できた場合は発車までにかかる時間を計測し、調査結果を基に国交省やタクシー事業者に改善を求める。

 平良さんは電話をかけ始めて約1時間、12カ所目でようやくUDタクシーを運行する事業者とつながった。さらに、車両が到着するまでに約20分かかった。

 UDタクシーと認定されているのはトヨタ自動車の「ジャパンタクシー」や日産自動車の「NV200」などがある。県ハイヤー・タクシー協会によると今年3月末現在、同協会に加盟する124社の運行する車両台数は約3500台で、そのうちジャパンタクシーは151台、NV200は27台だった。UDタクシーは全体の約5%だった。

 同協会によると、国がUDタクシーの運行を推進しているため台数は増加傾向にある。一方、UDタクシーの運行は、車いすで乗り降りするスロープを設置する必要がある。同協会は運転手の高齢化などによって、小規模事業者は導入に踏み切れない所もあるのではないかと推察した。