【号外】首里城正殿と北殿が全焼 他建物への延焼続く けが人の情報なし


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 31日午前2時50分ごろ、那覇市首里当蔵町の首里城で火災が発生した。同日午前5時前には正殿と北殿が全焼し、南殿など城内にあるほかの建物にも次々と燃え広がっている。県警や消防によると、同日午前5時半現在、けが人や首里城関係施設以外の建物への延焼は確認されていない。消防車約40台が現場付近で消火活動を続けている。那覇署が火災の原因や詳しい被害を調査する。

 那覇市消防局によると、同日午前2時41分に警備会社から正殿の火災報知器が反応したとの通報があった。同日午前5時ごろには爆発音も確認された。広範囲にわたって火の粉が飛び、県警は周辺一帯で交通規制を敷いて立ち入りを規制。周辺住民に避難を呼び掛け、周辺公民館など避難所への誘導をしている。

 近くに住む宮城武雅さん(44)はサイレンの音と真っ赤に染まった空を見て火災に気がついたという。「夜は正殿まで簡単に入れないはずだ。なぜ」と信じられない様子で語った。

 琉球王朝の華やかな儀式や行事を再現する首里城祭(主催・同実行委員会)が27日、11月3日までの日程で開幕したばかりだった。

 首里城は琉球王国時代の約500年前に建てられ、1879年の廃藩置県まで国王の居城として琉球王国の象徴だった。人類共有の文化遺産として普遍的価値が認められ「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として2000年に世界遺産に認定された。