「沖縄本島」ではなく「沖縄島」 「本島」「離島」という表現は差別の指摘受け 県の公文書には規定なし


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 24日に開催された県環境影響評価審査会で、事務局が提示した答申案に「沖縄本島」との表記があったのに対し、委員から「本島」「離島」という表現が「差別」だとする問題提起があるとの文脈で、「本島」という表記も「沖縄島」とすべきではないかとの指摘があった。これを受けて事務局の県環境政策課は、審査会の答申案で「沖縄島」とする方向で調整している。

 議論のきっかけは勝連半島南側道路(仮称)整備事業に関する審査会の答申案。県環境部によると事業者の中部土木事務所が「沖縄本島」と表記していたのを答申案に引用した。

 24日の委員会では照会を受けた地質専門の委員から、地質に関する資料では「本島」や「離島」という概念は用いないと回答があり、宮城邦治会長が「科学的な表記」に倣うとして答申案の文言を「沖縄島」と修正する意向を示した。

 8月に開かれた県振興審議会離島過疎地域振興部会では、外間守吉与那国町長が「離島」表記は「差別用語ではないか」と指摘し、「島しょ」と表記することを提案した経緯がある。

 県総務私学課によると県の公文書で「沖縄島」と表記するか「沖縄本島」とするかの規定はない。ただ、沖縄振興特別措置法などでは「沖縄島」との文言が用いられている。一方で県広報課によると、県で作成されている文書のほとんどで「沖縄本島」と表記されている。一般に多用されていることが理由だという。県環境政策課によると生物や地理に関する文書では「沖縄島」と表記されることが多い。