首里城火災のデマ モバイルプリンスの知っとくto得トーク[133]


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モバイルプリンス

 

10月31日未明、首里城で火災が発生し、正殿などが全焼した。

沖縄県のシンボルとも言える首里城が燃えてしまったことで、世界中から多くのエールが届いている。

その一方で、火災が報じられた直後からネット上では「外国人が放火した」「安倍晋三首相が燃やすよう指示を出した」といったデマも投稿されていた。

しかしながら、こうしたデマは直接は拡散されず、「こんなデマを信じないように」と注意を呼び掛ける投稿の方が広がった。

 

いつもこうしたデマって投稿されるんですね。
 

モバイルプリンス

 

そうだね。今回は「放火ではなく事故の可能性が高い」と報道されたため、「○○が放火した」という“放火デマ”がそこまで広がらなかったのだろう。

そして「事故の可能性が高い」と報じられると、この火災の責任が「沖縄県」なのか「国」なのか、決めつける投稿が多発した。

「今年2月から首里城の管理は国から県に移っているから県の責任だ」「国の管理時代から消防設備は十分でなかったから国の責任だ」などなど。

ただ、現時点(7日正午現在)で、はっきりとした出火原因は分かっていないため、結局のところ「どこに、どんな責任」があるのかは判断ができない。

 

確かにそうですね。
 

モバイルプリンス

 

今回の首里城火災は多くの人が悲しんだと思う。こうした悲しんだり、怒ったりするような、感情を刺激するニュースでは、「誰が悪いのか」といった犯人探しをしたくなる。

犯人を罰してすっきりして、ネガティブな感情と調和させるためだ。

しかし、情報が出そろうまでには時間がかかる。早く誰が悪いのかを知りたいが、なかなか分からない。こうした隙間にデマが入り込むとSNSなどで拡散される。

デマが拡散されて混乱すると首里城の復興も遅れると思うので、しっかりと情報が出そろうまで、いろいろな判断を待った方がいい。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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「判断を待つ」という態度は、なにも首里城火災だけに限った話ではない。

「リツイートすると100万円プレゼントします」「豆乳にアボカドの種を入れると、天然のヨーグルトができます」といった怪しい情報に警戒した方がいいことは、過去にも紹介したね。

たくさんの情報がものすごいスピードで飛び込んでくるネット時代だからこそ、勢い任せに判断してはいけないということだ。

首里城の再建を願うのであれば、不確かな情報におどらされず、しっかりと情報が出るのを待ち、そして一人一人ができることを考えたいね。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/