「虐待対策にとどまらず子どもの権利条例制定を」 万国津梁会議が意見書で取り組み8項目提言 知事、制定に前向き


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
玉城デニー知事(右)に児童虐待に関する意見書を手渡す比嘉昌哉委員長=8日午後、県庁

 児童虐待の防止について議論してきた「児童虐待に関する万国津梁(しんりょう)会議」(委員長・比嘉昌哉沖縄国際大教授)は8日、児童虐待への対策にとどまらず、子どもの権利を保障する条例の制定などを求める意見書を玉城デニー知事に手渡した。玉城知事は「意見にあるように子どもを一人の人間として権利を尊重していくことを基本とした条例をつくりたい」と前向きな姿勢を示した。

 意見書は「沖縄県で深刻な子どもの貧困を子どもの権利の問題という視点で総合的に取り組んでいくことが必要」と子どもの権利に関する条例の制定の重要性を指摘している。そのほか「予防、早期発見、通告、早期対応」や「体罰の禁止」「制度・体制の整備」など全8項目にわたって必要な取り組みなど提言している。

 比嘉委員長は「意見を児童虐待防止条例制定に反映するとともに、数値目標を伴った政策を展開してほしい。虐待で苦しむ子どもたち、保護者を県民挙げて支援できるような体制づくりをお願いしたい」と述べ、実効性のある施策を進めるよう求めた。

 玉城知事は県政の施策に反映させることを念頭に「子どもを取り巻く環境整備の指針としてやっていきたい」と答えた。県は年度内の児童虐待防止に関する条例制定を目指し、意見書を参考に案を取りまとめる方針だ。