沖縄県内景気74カ月連続で拡大 ペースは鈍化へ 日銀9月金融経済概況


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 日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は8日、9月の県内金融経済概況を発表した。74カ月(6年2カ月)連続で県内景気は「全体として拡大している」と判断した。一方で、桑原支店長は景気の拡大ペースは鈍化しているとして、県外、海外の景気動向の変化が観光業に与える影響や、消費増税による消費の冷え込みなどを注視していくとした。スーパーやホテルなどで競合が激化している現状について、近くレポートを発表するという。

 桑原支店長は首里城の焼失について「程度は分からないが、今後マイナスの影響が出る可能性はある」と話した。

 【個人消費】消費増税前の駆け込み需要が多くの業種で見られ、総じて好調だった。百貨店・スーパー販売額は全店舗ベースで前年同月比8・7%増だった。既存店ベースも同4・8%増と3カ月ぶりに前年同月比を上回った。自動車登録台数は同12・9%増、家電大型専門店販売額は同60・7%増と大幅に伸びた。

 【観光】主要ホテル客室稼働率は同7・8ポイント減の76・6%。韓国客の減少や台風による空路観光客の減少に加え、新規開業が相次ぐことによる競争激化が影響した。那覇市内ホテルは同9・3ポイント減の78・4%、リゾートホテルは同7・1%減の75・5%だった。

 【公共投資・設備投資・住宅投資】着工建築物床面積は同24・2%減。新設住宅着工戸数は同10・7%増と2カ月連続で増加した。