若者の一歩に勇気もらった 首里城再建で79歳男性、寄付金と手紙託す


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 首里城再建に向け、首里高校卒業生が募金活動に取り組む11月3日付の本紙記事を読んだ古波藏保隆さん(79)=那覇市首里金城町=は、若い学生たちの活動に感謝の気持ちを手紙につづり、「2人に渡してほしい」と寄付金1万円と共に琉球新報社に託した。手紙を受け取った学生らと8日に対面し、「若い後輩の一歩に勇気をもらった。希望を持って、再建まで元気でいたい」と話した。

首里城再建に向けた活動に感謝の手紙をつづった古波藏保隆さん(右)と、首里高卒業生の与那覇素弓さん(中央)と宮里里歩さん=8日、那覇市首里金城町

 「再建支援 動き広がる/首里高卒業生は募金活動」の記事で紹介された首里高72期生で琉球大学3年の与那覇素弓(そゆみ)さん(20)と沖縄大学3年の宮里里歩さん(20)は、火災後すぐ「私たちにできることはないか」と考え、募金活動を始めた。

 古波藏さんは首里城焼失に、「新しい首里城は見られないかもしれない」とショックを受けたが、紙面で学生の姿を見て「企業や組織が立ち上がるのも大きな力だが、若い人の活動がうれしくて感動した」と目を潤ませた。

 与那覇さんと宮里さんから「もう一度、一緒に首里城を見ましょうね」と声を掛けられ、古波藏さんは「再建まで元気でいたいね」と笑顔で答えた。