コラソン競り負け 湧永に21―26 JHL


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
コラソン―湧永製薬 前半22分、ライン際のルーズボールを拾い、シュートを決める連基徳=10日、ANA ALENA 浦添(嘉陽拓也撮影)

 日本ハンドボールリーグの琉球コラソンは10日、ANA ALENA 浦添(浦添市民体育館)で湧永製薬と今季第14戦を行い、21―26で競り負けた。開幕から14連敗となった。

 前半のコラソンは湧永のエースの得点を封じる激しい守備と、何度もつなぐ攻撃でポストの連基徳やバックプレーヤー陣に得点が分散して波に乗る。GK内田武志の好セーブもあり、試合を掌握して14―11と先行した。

 後半は守備のプレスを早めたが、相手のクロスプレーにマークが遅れて点差を詰められた。競った展開の中で勝ちたい気持ちが視野を狭めてしまうと、攻撃が単調になり、後半14分から無得点。その間に連続8失点して、つかみかけた初勝利を逃してしまった。

 次戦は16日、同体育館で大同特殊鋼と対戦する。

 後半にかみ合わず競り負けたものの、リーグ5位の湧永製薬を封じ込めた前半の攻撃と守備は、連敗に苦しむ9位のコラソンにとって初勝利が近いことを証明した内容だった。

 単発な攻撃が負けパターンのコラソンは、10月のブレイク期間でパスワークと連係プレーに力を入れてきた。前半は、バックプレーヤーがボールを受ける前から数的有利に持ち込むポジション取りで、相手守備裏のポスト連基徳を最大限に生かした連係力を見せる。連は「一人一人がボールを持ちすぎないシンプルなプレーができた。今季最高の攻め」と成長を実感。守備も素早いプレスで日本代表の相手シューターにつながせない。体格で勝る相手バック陣と勝負せず、サイドシュートを打たせてGK内田武志がはじいた。

 だが、後半は複数の選手が切り込む湧永の攻撃に対し、守備が下がった所で打点の高いロングシュートを打ち込まれ、点差が詰まる。昨季開幕戦以来の白星が遠のき始めると、攻撃は個々で打開しようとして単発になった。「相手のウィークポイントを攻められなかった。ベンチから指摘されていたが、コートに共有できなかった」(石川出)。

 今季はチームへの貢献を意識しすぎて空回りし、9月の湧永戦で登録外を味わった石川。「まずは自分の事から」と、東長濱秀作監督とシュート練習に力を入れ、チーム最多の7得点。棚原良のパワーと東江太輝の技術力、そこに石川の得点力が戻ってきた。

 試合終了後、「勝ちたかった」とつぶやく選手の表情は奮起の色がうかがえた。あとは最後の勝ち方をつかむこと。16日もホーム戦。試合後、東長濱監督は「勝つチャンスはあると前向きに捉えて次もがんばっていく」とファミリアに強い気持ちで語った。
(嘉陽拓也)


湧永製薬 8勝8敗
 26―21(11―14,15―7)
琉球コラソン 14敗

前半は素晴らしい

 東長濱秀作監督(コラソン)の話 前半の戦いは素晴らしい。逆速攻もほとんどなくて、相手をコントロールしていた。後半は相手エースに得点を許し始め、こちらは後半14分から無得点になってしまった。2回タイムを取ったが監督として流れを変えられるような指示を徹底させられなかった。こういう状況でどう戦うか、次のホーム戦までに修正したい。