警報で駆け付けたのに火災見落とし 防災訓練に「通報」含まれず 危機管理の甘さ露呈


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 13日に発生した那覇市・南風原町環境施設組合の那覇・南風原クリーンセンター(南風原町新川)の火災では、警報後に駆け付けた作業員が火災を見落としていた。関係機関への通報・連絡も遅れたが、毎年行う防災訓練にそもそも通報が含まれていないなど、危機管理に対する認識不足が浮き彫りになった。

 警報が鳴ったのは午前9時37分。鳴ったエリアには2、3部屋あるが、確認した作業員は火災が発生した隣の部屋にある非常用電源施設しか見ず、その隣で起きていた火災を発見できなかった。だが、ごみの運搬業者から火災が起きていると一報が入り、近くにいた別の作業員が消火した。

 同組合議会と県外視察に出ていた仲間好彦所長には13日昼すぎにセンターから第1報があった。同日夜までに計4回、センターから連絡を受け詳細を把握。那覇市と南風原町に報告するよう伝え、翌14日朝に両自治体に報告された。議員には同日の県外視察前に報告され、一部は急きょ沖縄に戻りセンターを視察した。

 仲間所長は消防に通報しなかったことについて「出先だったこともあり火災発生時の計画書なども手元になく、焦って頭から漏れていた」と釈明した。「議員にも一報が入った時点で報告しておくべきだった。反省している」とした。

 現場を確認した赤嶺奈津江南風原町議(同組合議会副議長)は「場所が場所だけに大事故につながりかねない。センターは2007年にも溶融炉で(メタルなどが漏れる)事故があった。教訓が生かされていないのでは」と指摘した。毎年2~3月にはセンターの自衛消防組織と消防が防災訓練をしていたが、訓練内容に警察や消防、周辺自治体への通報は入っていなかったという。仲間所長は「訓練の在り方も見直したい」とした。