文化庁の宮田亮平長官は20日午後、10月31日の首里城焼失後、初めて来県し、首里城を視察した。視察後、守礼門の前で実施した会見で宮田長官は、重要文化財には該当しない首里城のような復元施設についてもスプリンクラーの設置を含めた防火対策を検討する考えを示した。また、文化庁として焼失を免れた収蔵品の修理、修復を支援する考えを示した。
宮田長官は、一部にがれきが入っていることが確認されている世界遺産の地下遺構や収蔵庫、別の場所に移された収蔵品確認などは消防が調査中であることなどを理由に行わなかった。
宮田氏は復元施設の防火対策について「真摯(しんし)に対応を考えている。線引きをあえてするのではなく、できるだけ素晴らしい建物に対しての保存をしっかりしていきたい」と述べた。首里城の再建に当たってスプリンクラーを設置するかどうかについては明言を避けた。
宮田長官は被災した収蔵品について「ちゃんと調査をして、しっかりと修復するためにはどうしたらいいか検討していきたい」と述べ、文化庁として収蔵品の修理修復を支援する意向を示した。
文化庁文化財資源活用課は復元施設のスプリンクラー設置について「設置が適当な所、有効だと判断される所を検討していく」と述べた。焼失を免れた収蔵品については「所有者から修理修復の意向があれば技術的助言などは惜しまずにする」と述べた。