「未完成の案だった」 島尻消防規程書き換え問題


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【南部】島尻消防組合消防本部の出動時の行動などを示した内部規程(きてい)の一部が書き換えられていた問題で、島尻消防は28日、書き換え前の規程は「未完成の案」であったと明らかにした。島尻消防によると消防長の決裁を受けて同規程を完成させていたが、一部の部署や出張所では規程案から完成した規程への差し替えが行われず、完成した規程が全職員に周知されないまま運用されていた。屋比久学消防司令長は「事務的なミスによるもの。今後同じことがないようにしたい」と話した。

 記載内容の一部が書き換えられていたのは「島尻消防警防規程」。第4章「隊長等の編成」部分の記述に違いがあり、施行日も「平成25年4月1日」と「平成25年9月1日」で異なっている。

 屋比久司令長によると、同規程は12年度、当時の警防課長が作成を始めた。完成前に人事異動があり、13年度に新たに着任した課長が作成を引き継いだ。同規程は同年8月7日に消防長決裁を受け、「平成25年9月1日」を施行日として完成。ところが、完成前に配布された規程案との差し替えが徹底されず、一部の出張所などに規程案が残ったままになっていた。同規程は2018年11月30日、管理者である瑞慶覧長敏南城市長の決裁を受けて、島尻消防例規集に掲載された。

 屋比久司令長は「大多数(の職員)が(完成した規程のことが)分からない状況にあったと思う」と述べ「周知徹底のやり方なども今後検討する」と話した。

 規程の書き換えは、島尻消防による男性司令補(50)への懲戒処分を取り消した県人事委員会の裁決で明らかになった。島尻消防は18年3月9日、職場内のパワハラなどを理由に男性司令補を懲戒処分としていた。