沖縄経済の振興指させて30年 沖縄懇話会


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 沖縄と本土の経済人が交流し、県経済の振興のための提言を行う沖縄懇話会が、2日の総会で設立30年を迎える。日本を代表する財界人との交流にとどまらずアジア展開の推進や人材育成など、懇話会は沖縄の発展を後押ししてきた。設立から懇話会に関わる、代表幹事の小禄邦男氏(琉球放送最高顧問)は「30年の歴史で積み上げた功績は大きい」と意義を語る。

沖縄懇話会の歩みや県経済で果たした役割などを語る小禄邦男氏=27日、那覇市の琉球放送

 沖縄懇話会は1990年に、中山素平氏(元日本興業銀行頭取)の呼び掛けで誕生した。中山氏は沖縄と本土の財界人が結びつきを強めることや、アジアに目を向けながら沖縄を発展させること、世界で通用する人材を育成することを懇話会の目標に掲げた。小禄氏は「中山さんは、沖縄と本土の財界人が手を携えて振興や開発を進めるべきだと考えていた」と振り返る。

 90年の設立総会では、京セラ創業者の稲盛和夫氏が沖縄に携帯電話会社を設立することを提唱し、その後の沖縄セルラー電話の誕生につながった。懇話会は2000年のサミット誘致の際にも尽力し、県内企業のアジア展開を見据えて沖縄大交易会を開催する。小禄氏は「中山さんが目指していたものが確実に形になっている」と感じている。

 懇話会の今後の活動に向けて小禄氏は「沖縄の発展のために団結して、政府や県にもいろいろと提言をしていく」と決意を示す。沖縄と本土の財界人のつながりも深める方針で「これからも懇話会の人脈を生かすことが大事になる」と強調した。