首里城をデジタルの世界で復元 沖縄県がミニシアター設置検討 復元プロジェクト活用


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立体的に復元された首里城の内部。一部展示品の説明も見ることができる(みんなの首里城デジタル復元プロジェクトのウェブサイトより)

 首里城が焼失したことを受け、沖縄県は城郭外の県有地に首里城の魅力や沖縄の文化を伝えるミニシアターを設置することを検討している。城郭外の県有地に設け、再建が完了するまでの間、誘客や文化振興につなげる狙いがある。東京大の川上玲特任講師らがデジタルの世界で立体的な首里城を復元させる「みんなの首里城デジタル復元プロジェクト」の成果を活用する方針だ。

 複数の関係者が明かした。プロジェクト呼び掛け人の川上氏はデータを無償提供する意向を示している。11月、県幹部らが同大を訪れて川上氏と面談した。県は今後、予算規模や寄付を充てることが可能かどうかを検討する。

 首里城の再建に向け、国と県は国が正殿など建造物を再建する「ハード面」を中心的に担い、県はその中身を充実させる「ソフト面」を担う形で役割を分担する方向で協議を進めている。その上で国の再建計画にも県内の声を反映させたい考え。

 ソフト面では芸能界や文芸界との連携など、さまざまな意見が県に寄せられている。知事直轄で設置した首里城復興戦略チームで課題を整理し、取り組む見通しだ。