田口(U18)、テクニカル準V  SUP世界選手権 オープンクラス 奥秋、2部門3位


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ゴールを目指す田口頼=エルサルバドル(提供)

 専用の細長いボードに立ちパドルを漕いで競うマリンスポーツのスタンドアップパドルボード(SUP)の世界選手権「ISAワールドサップアンドパドルボードチャンピオンシップ2019」が11月24日から12月1日まで、中米のエルサルバドルで行われた。5部門に出場した田口頼(16)=今帰仁村、八洲学園大国際高1年=がU18クラスのテクニカルレース(5キロ)で2位に入った。SUPの世界最高峰の大会で、日本勢が2位に入るのは全ての種目を通じて初めて。オープンクラス4部門に出場した奥秋李果(26)=座間味村、DRIFTER=はロングディスタンス(18キロ)とテクニカルレース(5キロ)で3位だった。2人を含むチームリレーで日本は4位入賞した。

最終周回「いい波来れば」 田口、日本人初に喜びと悔しさ

 パドル使いや波乗りの技術が試されるテクニカルレース(U―18)で田口頼が日本人で初となる2位入賞を果たした。4日、大会地から沖縄に戻り、那覇市内で取材に応じ、優勝した選手との競り合いを演じた展開を振り返って「うれしさもあるけど、あと少しで金だった」と喜びと悔しさが半々だった。

 1・7キロを3周するコース。スタートで出遅れたが、沖縄で鍛え上げたこぐ力で1周目終盤には1位に躍り出た。2周目はデンマークの選手と先頭争いになり、最後のコーナーで一気に飛び出しトップを維持。うねりをうまく利用して突き放し、独走に持ち込みかけた。しかし、最終周の直線で、波に乗った相手に一挙に追いつかれ2位でゴール。「自分の時に波が来る運がなかった」と悔しそう。「日本のトップには自然になれる。世界のトップになりたい」と来年の世界選手権で頂点を目指す。

レース歴2年 念願の表彰台 奥秋「経験生かせた」

波を読みながら進む奥秋李果(提供)

 オープンクラスのロングディスタンスとテクニカルレースで奥秋李果が3位に輝いた。10月の大会で4位だっただけに「まずは表彰台に上がることが目標だった」と笑顔がはじけた。

 18キロの海上をこぎ続けるロングディスタンスを専門にしており、この種目は前半から先頭集団についていった。「波乗りに失敗しないようにした」と注意深く集団内を維持し続けた。2位争いで最後は逆転を許したが、念願の表彰台に上がった。レース歴2年。力を付けるために今季は10大会に出場し、その最後となる世界選手権の大舞台だった。「今までの経験を発揮できた」と今後に向けても手応えをつかんだ様子だ。

 来季も日本代表入りを果たし、世界選手権出場を狙う。「さらに良い結果を出す」と右肩上がりの成長を誓った。