世界のファクトチェックの現状は? 日本のファクトチェックの問題は? シンガポールでシンポジウム


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各国の偽ニュースとファクトチェックの現状などの報告があった「信頼されるメディアサミット2019」=7日、シンガポールのグーグルシンガポール本社

 【シンガポール=滝本匠】世界のメディア関係者らが集う「信頼されるメディアサミット2019」(グーグルニュースイニシアチブなど主催)が7日、シンガポールであり、各国で広がる偽ニュースとファクトチェック(事実検証)報道の現状が報告された。2020年の各国の選挙でも引き続きファクトチェックをする重要性や他社との垣根を越えた協業の必要性を共有した。

 日本から奥村信幸武蔵大教授が、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る疑惑の追及で「日本のメディア間で協力がなくファクトチェックができていない。日本では事実検証する強力な組織がない」と現状を指摘した。

 インドやフィリピンなど7カ国で実施された選挙で、さまざまな政治的偽ニュースが広がり、地元メディアなどがファクトチェックに取り組んだことが報告された。選挙に絡んだ政治的偽情報だけでなく、ワクチンやサプリメントの効能など健康に関する偽情報の問題も指摘された。