知的障がい者入学、大阪は学力で合否 県教育長、「憶測」で答弁 実は定員満たない場合は全員合格なのに…


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沖縄県議会

 平敷昭人県教育長は11日の県議会一般質問で、重度知的障がいのある生徒の普通高校入学に関する大阪府教育委員会の対応について「大阪府さんの方で、この生徒は支援員を付けて(中略)教育課程を履修・習得が期待できるという判断をなさった生徒がいて、その方を入学させたのではないか」と述べた。

 大阪府教委が一定の学力に満たない生徒を不合格にしているという印象を与えかねない表現だが、大阪府教委は志願者が定員に満たない場合は障がいの有無にかかわらず全員合格させる方針を定めており、教育課程を履修できるかどうかで合否を判断していない。

 質問者の赤嶺昇氏(おきなわ)は平敷教育長の回答を受けて「推測で言っているのか」と追及。平敷教育長は「はい。これは推測です」と認めた。

 平敷教育長は琉球新報の取材に対し「大阪府が定員内不合格を出さないことは理解している。支援員が入れば履修できると思った生徒が普通高校に入学しているという意味だった」と述べた。県教委は大阪府教委に対して重度知的障がいのある生徒の高校での履修状況を照会しているが、明確な回答を得られていないという。

 また、重度知的障がい者の普通高校入学について玉城デニー知事は「先進地の事例をしっかりと研究することによって、沖縄らしいインクルーシブ教育への扉を開いていくことは十分可能だと考えている」と前向きな姿勢を強調した。県教委は「特別な教育課程ができない中、学びが保障できない」として定員内であっても不合格にしているが、知事との考え方の違いも浮き彫りになった。