人間国宝ら200人、首里城再建へ心一つに 「沖藝連の日」 円熟した芸で魅了


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幕開けを飾った約100人の実演家による古典音楽斉唱「かぎやで風」=9日、浦添市の国立劇場おきなわ

 沖縄県芸能関連協議会(沖芸連、照喜名朝一会長)主催の第8回「“沖縄芸能・文化”のお祝いの日 沖藝連の日(首里城再建チャリティー公演)」が9日、浦添市の国立劇場おきなわで開催された。人間国宝をはじめ、第一線で活躍する舞踊家や実演家約200人が、首里城の再建を願って心一つに多彩な演目を披露した。

 首里城を背景に、人間国宝の中村一雄ら約100人が古典音楽斉唱「かぎやで風」「ごえん節」「揚作田」を歌い、華々しく幕を開けた。

 舞踊「長者の大主」(宮城能鳳・玉城節子・玉城秀子監修)は、老人を人間国宝の能鳳、老女を又吉靜枝が演じた。朗々と会場に響く能鳳の口上で始まった後、国指定重要無形文化財「琉球舞踊」保持者の踊りが続き、円熟した芸で観客を魅了した。

舞踊「長者の大主」を踊る宮城能鳳(前列右)と又吉靜枝(同左)

 若手芸能家を中心に26人で演奏した創作組曲「琉球の響き~琉泉~」(大城貴幸作・構成、横目大通、池間北斗補作・編曲)がフィナーレを飾った。琉球古典楽器の基本を生かしながら華やかにアレンジした変化のある6曲構成で、終幕まで観客を引き付けた。終曲「新響地(しんきょうち)」は、「組踊上演300年の節目がまもなく終わる。しかし、新たな時代を迎えてさらに組踊が盛り上がっていく姿を思い描いて作った(大城)」という。終曲は組踊に登場する曲のみで作られており、伝統を大切にしながら、新たな時代を築いていくという新進芸能家の気概を感じさせた。

 ほか演目は舞踊「花」(玉城秀子作・指導)、舞踊「浜千鳥」(谷田嘉子・金城美枝子構成・指導)、舞踊「鼓囃し」(真境名佳子振付、宮城幸子・安次富紀子指導)、舞踊「でいごの花心」(玉城節子作・指導)、組踊「手水の縁」より忍びの場の抜粋(眞境名正憲指導)、箏曲合奏。

 照喜名会長は「沖縄の芸能家が、首里城再建に向けて務め上げた舞台だ。熱演に心から感謝したい」と話した。