ソフトボール愛深く 笑いで五輪代表を応援 かぶり物で試合会場に出没、SNSで発信 「奇天烈オムレツ」の知花千菜子さん


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女子日本代表チームを応援する奇天烈オムレツの知花千菜子さん(左)と初澤希望さん=12日、読谷平和の森球場

 来夏の東京五輪種目、女子ソフトボール日本代表を盛り上げようと一役買う沖縄県出身のお笑い芸人がいる。女性コンビ「奇天烈オムレツ」(松竹芸能)の知花千菜子さん(26)だ。自身もソフトボール歴10年の経験者だ。代表選手らを会員制交流サイト(SNS)で発信して応援。競技の普及イベントにも頻繁に登場する。8月には国際大会始球式の大役も務めた。「ソフトボールはめちゃめちゃおもしろい。もっと広めたい」と子どものように笑う。

 読谷村波平出身。読谷小3年の時に競技を始めた。身長147センチと小柄だが、読谷中、読谷高では県選抜にも選ばれた実力者だ。関西国際大3年時にインターンシップでベトナムの日本語学校を訪ねた時、特技がソフトボールだと伝えると「ソフトって何?」との反応にショックを受けた。深い“ソフト愛”に火が付いた。「もっと広めていきたい」

 選んだ手段はお笑いだった。「自分はビジュアルが個性的だから、芸人なら目立って広められるかも」。大学卒業後、松竹芸能の門をたたき、養成所で出会った同じくソフトボール経験者の初澤希望さん(34)=神奈川県出身=とコンビを組んで2016年にデビューした。

 日本リーグの試合に2人で足を運び、ソフトボールの球に見立てた自作のかぶり物で観戦するようになると、「ソフト大好き芸人」として選手に認知されるように。元女子日本代表監督の宇津木妙子さんらとも交流を深め、ツイッターやユーチューブなどで選手や競技の魅力を紹介するようになった。

 今年8月の国際大会ジャパンカップでは、かぶり物姿で日本対チェコ戦の始球式に挑んだ。「いずれは読谷でソフトのイベントがしたい」と地元愛も強い。今月23日までは読谷村で女子日本代表の合宿があり「沖縄の人たちに世界レベルを見てみてほしい」と呼び掛けた。
 (長嶺真輝)