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竹富島リゾート開発 損害賠償を求められた住民側が反訴 「島民を弾圧・萎縮させる不当訴訟」


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コンドイリゾートホテル建設中止求める「竹富島を守る会」の署名活動=6月、竹富東港

 竹富町竹富島のコンドイビーチ周辺で計画されているリゾートホテル建設事業を巡り、事業者のRJエステート(那覇市)が、建設に反対する住民でつくる「竹富島を守る会」の阿佐伊拓会長(51)を相手に損害賠償などを求めて提起した訴訟で、阿佐伊会長側は20日、慰謝料などを求めて反訴した。阿佐伊会長側は、反訴状でRJ側の提訴は「計画に反対する島民を弾圧・萎縮させるための不当訴訟だ」と批判した。

 阿佐伊会長らは同日、RJ本社を訪ね、計画の中止を求めて国内外から集めた署名4万4197筆を手渡そうとしたが、RJ側は受け取りを拒否した。

 RJ側は守る会側がインターネット上で主張していることが事実と異なり名誉毀損(きそん)だとして、ネット上の投稿を削除することや2200万円の賠償などを求めている。

 住民側代理人の赤嶺朝子弁護士は、RJ側が開いた住民説明会では説明が不十分で、不信感を抱いた島民が計画反対の決議をしたことや、RJ側の代表から「島民をばかにするようなメール」があったと指摘。RJ側が名誉毀損と主張した点については「意見・論評にすぎない」と反論した。

 阿佐伊会長は県庁記者クラブで開いた会見で、RJ側の提訴が「精神的に非常に重くのしかかった。内容についてもとても理不尽なものだった。島の意思を示そうと、島民みんなで反訴することを決めた」と語った。反訴について、RJ側代理人の渡邉宙志弁護士は「現時点でコメントはできない。粛々と対応する」と述べた。