タイヤが3回パンクしたけど…自転車で沖縄一周走破 親子で挑戦する理由


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自転車で沖縄一周をやり遂げた山城司さん・圭司さんと、出迎えた家族や友人ら=2日、与那原町

 【与那原】挑戦することの大切さを知ってほしい―。親子で自転車に乗り、沖縄本島を一周しようと、12月29日に与那原町を出発した山城司さん(43)=与那原町役場職員=と息子の圭司さん(12)=与那原東小6年=が1月2日、376キロを走り抜き、家族や友人の待つ自宅へ帰宅した。道中、圭司さんのタイヤが3回パンクするハプニングもあったが見事に走り切った。「完走できたことが大きな自信になった」と胸を張る息子の姿に、司さんも「大切なことを伝えられた」と笑顔で話した。

 小学6年になった子どもと司さんの2人で、自転車で沖縄本島一周にチャレンジするのは山城家では恒例の企画という。これまで長女の音葉さん(18)=那覇高3年、次女の萌音さん(16)=同高1年=が挑戦し、完走した。

 今回、司さんと圭司さんの2人は、山城家に集まった親戚と友人らに見守られながら出発。1日目はスムーズに目的地までたどり着いたが、2日目は大雨に見舞われ、3日目の国頭村では坂道が続く上に風も強まり「想像以上につらくて苦しくなった」(圭司さん)。しかし、家族や友人が車に乗って国頭や名護市辺野古まで応援に駆け付けた。圭司さんは「声援を聞く度に体が少し軽くなった。あれがなかったら諦めそうだった」と振り返る。

 ゴールの日、自宅では家族や親戚、友人らが「おつかれさま」「おかえり」と書いた手作りの垂れ幕を持ち、クラッカーを鳴らすなどして2人を出迎えた。

 圭司さんは「応援や支えてくれる人がいるから挑戦できたし、完走できた」と達成感に満ちた表情で話した。出発時より成長した表情を見せる圭司さんに、司さんは涙ぐみながら「自分でやり遂げることでそれを知ったことは大きい。一緒に完走できてよかった」と話した。 (嘉数陽)