美しすぎる~ 久米島に離島留学した東京出身の写真家が撮り続ける島の魅力


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福林開さんが撮影した久米島の星空。天の川も写っている=2019年6月、久米島町島尻(福林さん提供)

 【久米島】自然美に魅せられて県立久米島高校に離島留学し、卒業後も久米島町の星空などを撮り続けている写真家・映像作家がいる。東京都渋谷区出身の福林開さん(19)。被写体を求めて国内外を飛び回る福林さんは「『ここだ』と思うのは久米島。圧倒される自然がある」と話し、島の魅力を写真と映像で発信している。

 雑踏の中で育ったが、元々、自然や生き物が大好きだった。母親から離島留学を勧められ、試験前に初めて久米島を訪問。真っ青な海に「ここだ!」と直感したという。

 入学後1年間は山の上の民家でホームステイ。携帯電話の電波も入らない環境の中、一眼カメラで星空を写した。寮に移ってからも、夏は天の川、冬は満天の星空を撮った。素潜りを覚え、水中写真にも挑戦した。3年生の時、沖縄電力主催の写真コンテストに初めて応募し、優秀賞に選ばれた。

 卒業後は東京に拠点を移し、映像制作チームのメンバーとして企業のプロモーションビデオやイベントを撮影している。一方で、フリーの写真家としても活躍。今夏はアラスカのオーロラを撮影した。1年の約3分の1を久米島で過ごし、星空などを写真と動画で記録。自身のウェブサイト(https://www.kai-fukubayashi.com)で公開している。

久米島高校に離島留学し、卒業後は写真家として活躍する福林開さん=2019年11月26日、久米島町北原

 次に狙う被写体は久米島近海のザトウクジラ。この冬は、カヤックに乗ってシャッターチャンスを待つという。離島留学のポスターも撮影した福林さん。「戻ってくるたびに、自然の美しさに感動している。久米島の魅力を発信して、島の人に恩返ししたい」と話している。 

(真崎裕史)