生産者「ワクチン接種を」 豚コレラ感染確認1週間 4団体が緊急要請


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 JA沖縄中央会、JAおきなわ、県養豚振興協議会、県食肉連絡協議会の4団体は14日、県庁で長嶺豊農林水産部長と面談し、豚コレラ(CSF)の防疫対策に関する緊急要請として、豚コレラのまん延防止に向けた早急なワクチン接種を求めた。在来種「アグー」の原種保存も要請した。4団体は15日午後には江藤拓農相と面談を予定し、国にもワクチン接種早期実施の要請などを行う。

豚コレラ防疫対策に関して県に緊急要請する県内各生産者団体のメンバーら=14日、県庁

 県側は要請が行われた農林水産部長室から報道陣を閉め出し、非公開で対応した。要請の終了後、養豚農家や食肉事業者でつくる県養豚振興協議会の稲嶺盛三会長は「感染拡大による殺処分を防ぐため、県内養豚業界の総意としてワクチン接種を要請した。生産現場にはワクチンを打つべきだという共通認識があり、現場の意見はかなり差し迫るものがある」と述べた。

 県からの回答については「県は何かあればいつでもワクチンを打てる状態にあるという。しかし10キロ圏内の検査結果を待つよう求められた」と語り、慎重な姿勢を示されたと説明した。

 県畜産課の仲村敏課長は要請後にあった14日夕の定例記者会見で、「農家の不安や(ワクチン接種で)早めに安心したいことも総意だと思う」と生産者の立場に理解を示した。一方で、ワクチン接種の是非については「現在どれくらいウイルスが浸潤し、県全体に存在しているか調査をしている。正しい情報を農家に説明した上で早めに意見を集約したい」と県の方針に理解を求めた。

 県は9日に開いた養豚業関係者向けの防疫対策説明会でも、ワクチン接種の意見を聞く際に非公開にした。