ワクチン接種の早期実現を 豚コレラ感染で沖縄の農業団体が国に要請 農相も接種促す


この記事を書いた人 問山栄恵
江藤拓農相(左から4人目)に要請書を手渡すJA沖縄中央会の大城勉会長(同3人目)ら=15日午後、東京都の農水省

  JA沖縄中央会や県養豚振興協議会など沖縄県の農業関係4団体は15日午後、農林水産省に江藤拓農相を訪ね、豚コレラ(CSF)発生に伴うワクチン接種の早期実施や在来豚「アグー」の原種保存への協力を求めた。要請には同中央会の大城勉会長や同協議会の稲嶺盛三会長らが参加した。

  これに対して江藤氏は、8日に感染が確認された養豚場では昨年末から豚が変死する事例が出ていたことから「かなり車両の移動や人の交流もあったと聞いている。スピード感をもってやらないと手遅れになる可能性もある」と強調し、ワクチン接種に向け県側の対応を強く促した。

  江藤氏との面会後、記者団の取材に稲嶺会長は「いつ自分たちのところに(ウイルスが)入るのか、危機感を持っている」と強調した。ワクチン接種に踏み切らない沖縄県が接種の是非を議論する場をつくるとしたことについては「はっきり言ってそれどころではない。一刻も早くワクチン接種の推奨地域となり、農家を安心させてほしいというのが団体の総意だ」と県の姿勢を批判した。

  ワクチン接種で輸出に影響が出ることついて、県食肉連絡協議会の崎原勲会長は「輸出は国も推奨しているが、これによってワクチンに躊躇(ちゅうちょ)しているという話になると(全体の)数パーセントの(輸出)のために、20万頭に影響を与えるのか。別次元の話だ」と、早期接種を強く訴えた。【琉球新報電子版】