「陰性」の養豚場からも豚コレラ感染確認 検査からみえる厳しい現実とは…


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 15日に豚コレラ(CSF)感染が確認されたうるま市の養豚場は、8日に県内で初めて感染が確認された養豚場と約100メートル程度の距離にある。県は感染確認当日の8日に30頭を検査し「陰性」を確認していた。

 国の防疫指針では、感染が確認された場合、移動制限区域内(3キロ圏内)にある養豚場には24時間以内に発生状況検査に入ると定めている。臨床症状が出ていないかの検査や、一つの養豚場につき30頭を抽出して血液検査や抗体検査をする。

 豚舎が複数ある場合には、偏らないように一つの豚舎から5頭ずつ抽出する。30頭以下の養豚場では全頭を検査する。

 抽出検査について、農水省の担当者は「統計学的には、養豚場内の10%が感染していた場合に、30頭を検査すれば1頭は網にかかる」と話す。

 今回感染が確認された農場の豚が、8日の検査時点で感染していたかは不透明だ。抽出ではない全頭検査については「豚は首の血管から採血するため、血液検査もそう簡単ではない。防疫をしながらでは人手も足りず、全頭検査は現実的ではない」(県畜産課)という指摘が出ている。

 感染確認直後の検査に加え、初期防疫措置完了から17日経過後に、10キロ圏内の搬出制限区域を解除するために再検査する。さらに措置完了から28日後に、移動制限区域を解除するために3回目の検査をする。