予防接種の通知、2年間せず 日本脳炎1期追加の4~7歳半の537人分 68人は対象年齢過ぎる 南風原町が謝罪


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日本脳炎の予防接種の通知漏れなどが発覚し、会見で謝罪する南風原町の赤嶺正之町長(中央)ら=20日、南風原町役場

 【南風原】沖縄県南風原町で2017年度と18年度の2年間、日本脳炎の定期予防接種の「通知漏れ」があり、1期の接種対象年齢を過ぎてしまった子どもが計68人いることが分かった。赤嶺正之町長らが20日、町役場での会見で明らかにし「町民の期待を裏切り、信頼を損ねた」と謝罪した。

 町民生部によると、日本脳炎1期の予防接種は追加分も含め、計3回を生後6カ月~7歳半に打つ。毎年3月、町は4、5歳児を対象に追加接種分の予診票を送付し、通知する。

 昨年12月中旬、保護者から「通知が来ておらず、対象年齢の7歳半を過ぎてしまった」との電話があった。調査の結果、現在と同じ担当者となった17、18年度の2年間、通知されていないことが分かった。通知漏れがあったのは537人分で、273人は接種を受けていない。このうち68人が7歳半を過ぎている。

 町が南部保健所などに確認したところ、追加分を速やかに接種すれば、通常の接種スケジュールと同等の免疫レベルまで向上するという。対象年齢を過ぎた68人について、町は21日から戸別訪問して謝罪し、予診票を配布する方針だ。

 今回の担当職員は保健福祉課の1人。18年春の時点で通知漏れに気付いたが、上司に報告をしなかった。課長、部長も業務の進捗(しんちょく)状況を確認しておらず「管理が不十分だった」と釈明した。

 この日の会見では、乳がん検診の無料クーポン券についても、有効期限の記載誤りがあったと明らかにした。

 相次ぐミスに赤嶺町長は「町民の健康を守る立場の行政として、あってはならないことだ。深くおわび申し上げる」と頭を下げ、職員研修などで再発防止を図る考えを示した。