三重県出身の戦没者か 日本兵認識票に「瀬古政秋」 沖縄の摩文仁の丘周辺で発見 NPO「遺族の元に返したい」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「瀬古政秋」と記された認識票

 沖縄戦戦没者の遺骨収集に取り組む松永光雄さん(66)=NPO法人沖縄鍾乳洞協会理事=らが16~19日に糸満市摩文仁の丘周辺で遺骨収集作業を実施し、当時の日本兵の認識票4枚を発見した。そのうち1枚には「瀬古政秋」の文字が彫られていて、「平和の礎」にある氏名検索端末で調べたところ、同姓同名の名前で三重県出身の戦没者を見つけた。松永さんらは「手元に返したい」と遺族を探している。

 認識票を発見した遺骨収集現場は、摩文仁の丘にある各都道府県の慰霊塔の裏手あたり。急斜面の山道を約30メートル下った場所にある洞窟の中で、認識票の他に骨片や銃弾なども収集された。3年ほど前にも近くで名前が彫られた認識票が発見されている。

 今回発見された認識票は4枚。全て縦約5センチ、横約4センチの大きさ。そのうち1枚に「瀬古政秋」と名前が彫られている。松永さんは「名前が記された認識票は珍しい。いろんな思いが込められているはずだ。どうにか遺族に渡したい」と話している。情報提供や問い合わせなどは松永さん(電話)090(8292)0936。

※注:「瀬古政秋」の「瀬」は、オオガイが「刀」の下に「貝」