沖縄の夏がさらに長くなる? 今世紀末に3・3度上昇も 気象庁が試算


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 地球温暖化の影響で気温が上がり続けている。沖縄気象台によると、沖縄地方の年平均気温は、これまで100年当たり1・16度の割合で上昇。このままのペースで地球温暖化が進めば、今世紀末には約3・3度上昇するという予測もある。

 沖縄気象台が2019年3月に公表した「沖縄の気候変動とその将来予測」などによると、世界的に都市化や工業化が進んでいることもあり、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの排出が増加。日本の年平均気温は100年当たり1・19度の割合で、世界の平均気温も同0・73度の割合で上昇している。

 気象庁は、このままのペースで地球温暖化が進んだと仮定し、今世紀末(76~95年の平均)の日本の気候を試算したところ、沖縄地方は20世紀末(1980~99年の平均)と比較して最高気温が約3・2度、最低気温も約3・4度上がる見通しという。

 さらに、現在はほとんどない最高気温35度以上の猛暑日は年間約57日に。同30度以上の真夏日は約92日増えて約170日、最低気温25度以上の熱帯夜も同様に約97日増えて約180日になる可能性がある。真夏日と熱帯夜はいずれも秋(9~11月)に約40日増えることから事実上、夏が長くなる。

 こうした予測は、あくまでも最悪のシナリオで推移した場合だが、気象台は「温暖化を抑制するためにも気候変動に関する知識を持ってほしい」と呼び掛けている。