雇用対策の需要は8割減 好況が影響 公庫報告


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 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は23日、2019年度の政策金融評価報告書を発表した。沖縄振興施策にひも付けた融資の実績として、09年度から18年度の10年間で累計6万1867件、1兆1909億円を融資したことなどを取り上げた。雇用対策ではセーフティーネット関連貸し付けとして10年間で累計4866件、1983億円を融資したが、18年度は17年度比80%減の38億1600万円と大幅に減少した。沖縄公庫の担当者は「経済が好調だったことで経営が安定し、セーフティーネット関連の需要が大きく減少した」と分析した。雇用喪失防止効果は累計で7万2514人となった。

 融資先へのアンケート調査では、17年度に融資を受けた企業のうち72・9%が、民間金融機関からも融資が受けやすくなる「呼び水効果」があったと回答した。効果の内容は、「民間金融機関が迅速に融資判断をしてくれた」が43・9%、「保証や期間など融資条件が緩和された」が21・3%だった。沖縄公庫が融資リスクの一部を負担したことで、民間金融機関が融資をしやすくなったとみられる。

 沖縄公庫の融資によって売上額の「増加に貢献」と回答したのは44・9%、「維持に貢献」が28・7%だった。従業員の雇用は「増加に貢献」が25・3%、「維持に貢献」が24・9%だった。