サッカー田口泰士、宮城雅史が故郷で始動 Jリーグ球団が沖縄キャンプ本格化


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 Jリーグ勢が続々と沖縄入りし、本格化しているサッカーキャンプ。J2のジェフユナイテッド千葉(13日~2月1日、南城市陸上競技場)には、ジュビロ磐田から今季移籍した元日本代表MF田口泰士(28)=那覇市出身、小禄中―流通経済大柏高出=、同じくJ2の京都サンガFC(23日~2月2日、八重瀬町東風平運動公園サッカー場)にはDF宮城雅史(29)=うるま市出身、具志川高―駒沢大出=がいる。2人は「J1昇格」を見据え、故郷での調整を進めている。

田口、新天地で「挑戦の年」
 

 

プロ12年目の今季を「挑戦の年」とし、並々ならぬ覚悟で練習に参加するジェフユナイテッド千葉の田口泰士=27日、南城市陸上競技場(喜屋武研伍撮影)

 今季を「挑戦の年」とする田口泰士の瞳には、新天地で奮起しようという決意がこもっていた。昨季は21試合に出場。不調が続き、5年ぶりに無得点のシーズンを過ごした。「ものすごく悔しかった。自分を見つめ直し、何かを変えないといけない」とプロ12年目の熱い思いを語った。

 流経大柏高を卒業後、2009年に名古屋グランパスでプロデビュー。ボランチとして非凡な才能を発揮した。14年は日本代表に初めて招集され、3試合に出場。名古屋に9シーズン所属し、18年から昨季まで磐田で過ごした。

 昨季17位とクラブ史上最低の成績だった千葉を選んだ理由を「クラブは本気でJ1昇格に向かっている。自分も挑戦したいという気持ちになれた」と語る。昇格に向け、新監督に元セレッソ大阪のユン・ジョンファン氏を招くなど、本気で上を目指すフロントやチームの姿勢に胸を打たれた。

 開幕戦(2月23日、千葉市・フクダ電子アリーナ)は地元沖縄のFC琉球との対戦。「不思議。沖縄とは縁を感じる」としみじみ。千葉はボランチを重要な補強ポイントとしており「チームの勝利のためにプレーする。経験したことを伝えていきたい」と力を込めた。好きな言葉は「なんくるないさ」。前向きに、ひたむきに物事を捉え、この逆風を追い風に変える。
 (喜屋武研伍)

宮城、表情充実し復調の兆し

 

リラックスした雰囲気の中、汗を流す京都サンガの宮城雅史=23日、八重瀬町の東風平運動公園サッカー場(古川峻撮影)

 京都3年目となった宮城雅史。移籍後の2年間は度重なる肉離れに苦しめられ、一昨年は8試合、昨年は7試合の出場にとどまった。「けがに泣いて同じことを繰り返したら先はない。自分の身体は自分しか分からない。自分を信じてやれることは全てやりたい」と静かな語り口に今季への覚悟がにじんでいた。

 キャンプ初日の23日、メンバーの輪の中の宮城は笑顔が目立った。細かな技術を確認しつつ身体を温め、額の汗を拭う。「京都は寒くて(沖縄に)早く来たかった。身体は動いている。やっぱり海を見ると落ち着きますね」と充実した表情に復調の兆しをうかがわせた。

 昨季8位の京都は、今季から實好礼忠監督が就任した。沖縄入り前に身体づくりや戦術面の確認に注力し、キャンプ中の対外試合で実戦を重ねる予定だ。實好監督は宮城について「スピードもあり、落ち着いている。ボールを持ち、強みを生かしてもらいたい」と期待を込める。

 29歳になり、中堅として後輩の面倒を見るなどチーム内での立ち位置も考えている。DF登録ではあるが、今までボランチといった中盤などの複数のポジションをこなしてきた。宮城は「ゴールを決めたい。それがこの世界での結果。しっかり守りながら狙っていきたい」とアピールする。
 (古川峻)