アレクサ、チェックアウトの時間は? ホテルがAIスピーカーで情報提供 600の質問に対応


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AIスピーカーを活用して宿泊客に対応する取り組みを紹介するNOMARKの赤嶺謙一郎社長(左)、かりゆしの玉城智司総支配人=9日、恩納村のOkinawa Spa Resort EXES

 IT関連業のNOMARK(那覇市、赤嶺謙一郎社長)は23日から、ホテル経営のかりゆし(那覇市、當山智士社長)と連携し、AIスピーカーを活用して宿泊者に情報を提供する実証実験を始めた。宿泊客はホテルの施設や周辺の店舗などの情報を簡単に入手でき、ホテル側はフロント業務に当たる従業員の業務などを削減できるなど、人手不足解消にもつながる仕組みとなっている。

 AIスピーカーは音声認識機能やインターネット接続機能などを搭載したスピーカーで、話しかけることで情報を検索したり家電を操作したりできる。グーグルやアマゾン、アップルなどが開発しており、用途に応じてカスタマイズすることも可能になっている。

 実証実験ではアマゾンのAIスピーカー「アレクサ」を、恩納村の「Okinawa Spa Resort EXES」の客室20室に設置。英語を始め複数の言語に対応している。

 ホテルの食事やチェックアウトの時間、施設や設備の情報、周辺の店舗や観光施設に関する情報などを質問すると、関連する情報が表示される。

 600件ほどの質問と答えを登録しているほか、実際に運用する中で対応できる質問を増やしていく。客室に設置した専用のQRコードをスマートフォンで読み取ることで専用のウェブサイトに接続でき、ホテルの外でも機能の一部を活用できる。

 専用ウェブサイトで実施するホテルに関するアンケートをシステム上で自動集計できるため、宿泊客の要望や苦情などに素早く対応できる。

 赤嶺社長は「顧客満足度を考えると人が対応することが大切な部分も多い。簡単な質問への対応は機械化することで、より重要な業務に人手を集中させることができる」と事業の意義を強調した。

 EXESの玉城智司総支配人は「人手不足解消もあるが、何よりも客にストレスを感じさせない対応が可能になる。質問内容やアンケートのデータを蓄積して課題を分析し、よりよい対応につなげていきたい」と述べた。