豚熱、発生農場から3キロ圏内を検査へ 5例目確認 移動制限の解除も見直しも


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 沖縄市の養豚場で県内5例目の豚熱(CSF)が発生した件で、県は新たな発生農場から半径3キロ圏内の養豚場で発生状況確認検査を行う。当初、発生農場周辺で実施する豚の移動や搬出の制限は早くて2月17日までに全て解除される予定だった。だが新たな感染が確認されたことで、制限区域解除までのスケジュールも見直される可能性がある。

 国は指針に基づき、発生農場から半径3キロ圏内を「移動制限区域」、半径3~10キロ圏内を「搬出制限区域」と定める。指針では豚熱発生後の周辺養豚場の検査は移動制限区域のみだが、県内は養豚場が密集し感染リスクが高いため、県はこれに加え搬出制限区域の養豚場の検査も進めた。

 新たな発生農場は沖縄市の3例目の発生農場から200メートルほどしか離れておらず、制限区域が大きく変わることはない。だが県は感染リスクを懸念し、新たな発生農場を起点とした半径3キロ以内の対象23農場の検査を速やかに実施する。

 県は1月24日、1回目の発生状況確認検査で10キロ圏内の全養豚場で陰性だったことを発表した。当初の予定では、2月5日に10キロ圏内の養豚場で2回目の検査を行い、清浄性が確認されれば搬出制限区域を解除し、その後3回目の検査で3キロ圏内の養豚場で清浄性が確認されれば、早くて2月17日に全制限が解除される見込みだった。

 2018年9月に国内で26年ぶりに豚熱が発生した岐阜県では、1例目の移動制限区域が解除された後の11月に2例目が発生。野生イノシシにも感染が拡大し、19年9月まで1年以上発生が続いた。